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一冊の本が、ときには大きな力を贈ってくれます。素敵な本との出会いがありますように。
ぜひ、ごゆっくりご覧になってください。




 

『児童文学の礎を…』



vol.13


現在
 神奈川近代文学館にて
 「没後10年 石井桃子展 −本を読む喜び−」
 が開催されています。
 (2018年7月21日〜9月24日)
 
 「クマのプーさん」シリーズ
 「ピーターラビット」シリーズ
 「ちいさなうさこちゃん」シリーズ
 「せいめいのれきし」
 などの翻訳者として、
 
 「ドリトル先生」シリーズ
 「ちいさいおうち」
 他の編集者として、
 
 「ノンちゃん雲に乗る」
 「幻の朱い実」
 の作家として、
 
 子どもたちをはじめ
 多くの人々に
 200冊以上の本を
 届けてくれました。
 




彼女の出発点となった
 「プー横丁にたった家」の原書
 "The House at Pooh Corner"。
 この本との出会いは
 クリスマスイブ。
 犬養邸の
 クリスマスツリーの元に置かれた
西園寺公一氏から
 犬養毅の孫への贈り物。
 (彼女は菊池寛の紹介で犬養家の書庫整理を任され、
犬養家に出入りしていました。)
 孫の犬養道子や康彦のために
 少しずつ訳し始めたのが
 きっかけとなりました。
 
 「うさこちゃん」シリーズでは
 オランダ語の響きを知りたい
 との強い思いで
 オランダ大使館へ
 と向かいました。
 
 どんな作品にも
 真面目に
 懸命に
 対峙する姿勢を見て
 彼女の偉大さを
 感じずにはいられません。
 




一つ一つの作品を
 本当に大切に大切に思い
 珠玉の言葉で紡ぎ
 世に送り出してくださっていたのだ
 と今さらながら
 知りました。
 
 子どもへの優しいまなざし
 そして、
 豊かな感性
 鋭い観察力をもち、
 言葉と作品に
 深く真摯に向き合った
 彼女の一生。
 




 彼女の思いは
 本を愛する人々の心に
 永遠に
 寄り添うことでしょう。
 
 最後に石井桃子が遺した言葉を一つ紹介。
 
『おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の
“あなた”です。』

2018.9.3


石井桃子の本 

『絵本 クマのプーさん』  『プー横丁にたった家』
『せいめいのれきし』 『ちいさいおうち』
『ノンちゃん雲に乗る』
『ビロードうさぎ』 『野うさぎの フレー』 『こねこのぴっち』
『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』 『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』
『おやすみなさいのほん』 『まいごになったおにんぎょう』
『根っこのこどもたちは目をさます』
『子どもの図書館』


参考

『くまのプーさん エチケット・ブック』   『クマのプーさんの世界』
『ピーターラビットからの手紙』
『A.A.ミルン −現代英米児童文学評伝叢書4−』